シロクマ効果から学ぶ心理学の罠。白熊のリバウンドを回避する方法

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シロクマが吠えている 時間・人間関係

昔からよく受験や勝負事、スピーチの際に

  • 「失敗する所は想像するな!」
  • 「成功した姿だけイメージしろ!」
  • 「合格する事だけを考えなさい」

なんて言われましたが

このポジティブ思考をつくる考え方は、結構前から否定されていたりします。

未だに「常にポジティブに考えたほうが良い」と思っている人は要注意です。

人間の脳はとても賢い反面、現実と理想の区別が出来ないというマヌケさも兼ね備えているのです。

今回は白熊から考えるポジティブ思考の罠について考えていきます。

参考書籍はその科学が成功を決めるです。

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シロクマ効果と心理学

シロクマ効果と心理学

「今から5分間シロクマの事は考えないでください。良いですか、頭の中で何を考えても良いですが、シロクマの事だけは考えないでください

そう言われると、不思議な事にシロクマの映像が頭に描き出されます。

別の事を考えようと思っても、チラチラとシロクマがこちらを見ています。

これが心理学者ダニエル・ウェグナーが提唱したシロクマのリバウンド効果です。

「シロクマ効果(白熊効果)」や「白熊実験」とも言われます。

ここから何がわかるかというと現実から目を逸らそうとすればするほど、否定的な感情はより強く脳は認識してしまうという事です。

つまり、嫌な事があった時に「楽しい事をイメージして、早く忘れちゃおう」と思えば思うほど、印象が強くなり逆効果になってしまうことがあります。

ただし、目を向ける対象に没頭できれば完全に忘れてしまうことも出来ます。

よくある例が、失恋のショックを引きずっていたのに、恋人を見つけた途端にウソのように忘れてしまうといったもの。

ポジティブ思考の失敗ルート

ポジティブ思考の失敗ルート

冒頭で書いた通り、脳は現実と想像の区別が出来ません。

目標を立てたり、計画通りに準備や行動をしようとする際にも弊害が出てきます。

カリフォルニア大学が行った研究では、2つのグループに分けて実験を行いました。

  • 中間テストで良い点数を取った姿をイメージさせるグループ
  • 今まで通り過ごしてもらうグループ

その結果、テストまでの経過で面白いデータが出ました。

「良い点数を取るイメージをさせたグループ」は、しだいに勉強しなくなり、テストの結果も悪くなる傾向が明らかになったのです。

他にもペンシルベニア大学の研究では、ダイエットプログラムを受けている肥満体の女性グループに食事の場面を思い描いてもらいました。

  • 「目の前の食事を我慢してダイエットに取り組むことができる」とポジティブな思考を持っていたグループ
  • 「他の人の分まで食べてしまうほど自制心がない」とネガティブな思考を持っていたグループ

それぞれのグループを1年後に調査したところ、ネガティブな思考をもっていたグループは、ポジティブなグループに比べて平均11.8キロも痩せていました。

ポジティブ思考は目標達成に対し、むしろ弊害を出してしまっているのです。

心理学者ガブリエル・エッティンゲンによると、ポジティブ思考は以下のような失敗ルートをたどります。

  1. ポジティブに考える
  2. 現実と想像の区別がつかないため、脳は「目標をやり遂げた」と勘違いをする。
  3. 行動を起こす前にモチベーションが下がっていく。
  4. 現実でのトラブルや逆境を乗り越えようとする行動力も低下する
  5. 計画通りに物事が進まず、目標の実現に失敗に終わる

ワクワクするようなビジネス書を読んだり、自己啓発セミナーで成功した自分を想像すると

ポジティブな空想や理想をイメージすることができ一時的に高揚しますが、やがてエネルギーが枯れていきます。

その後は無気力になり、計画を投げ出し衝動的に行動するようになります。

ポジティブな思い込みが、準備や段取りを崩す大きな要因です。

5つの疑問型セルフトーク

5つの疑問型セルフトーク

ここで活用されるのが「疑問型セルフトーク」です。

自分自身に疑問を問いかけていく方法で、以下のような例です。

  1. 「自分は本当にできるのか?」
    →脳が現実的に考える
  2. .「なぜ自分はこれをしたいのか?」
    →やる理由や自分の価値観に沿っているかを考える
  3. 「どのように自分はこれをするのか?」
    →具体的な実践方法や種類を考える
  4. 「いつ自分はこれをするのか?」
    期限を明確にすることで締め切り効果を発動する
  5. 「もっとうまくやるには?」
    →挫折した時の対応、if-thenプランニングの準備をしておくことで明確な手助けとなる

この方法で脳を現実的なモードに変え、ゴールの設定に至るまでの目標の数値化プロセスの具体化を後押ししてくれます。

向かうべきゴールが定まれば、以下の3点を学び修正することで、物事の達成率は格段にあがります。

  • 目標の数値化のより良い方法
  • プロセスの具体化のより良い方法
  • プロセスを着実に進めていくより良い方法

注意点としては否定的な疑問形を使わないこと

「できないんじゃないか?」

「無理じゃないか?」

などの問いかけは逆効果になるため、実現に向けた可能性を含めた疑問文で自分に問いかけることが大切です。

まとめ

まとめ

ポジティブ思考の全てを否定するわけではないですが、何でもかんでも「私はできる!」とか「常にポジティブ思考で考えきゃ!」と思う必要はないのです。

世に出回っている成功哲学の本や、自己啓発セミナーに行くと「ポジティブ思考は成功のために必須」みたいな事を謳っている事も多いので要注意です。

もちろん、ネガティブ過ぎるのも挑戦や行動を抑制してしまうため、自分自身に問いかけながらバランスを保つことが大切です。

  • 脳は現実と理想の区別がつかない
  • 現実から目を逸らすほど印象は強くなってしまう
  • ポジティブ思考は自分の計画や準備を妨げる
  • 5つの疑問型セルフトークで脳を現実モードにする

参考書籍として取り上げた「その科学が成功を決める」は、他にも面接官の心理実験によって面接が無意味であることを検証したり、面白い研究がたくさん載っていて面白い本です。

あまり知られていない意外な人間の心理を学びたい方にはお勧めの1冊です。

 

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