
最近何もしていないのに疲れる

私は普段から疲れやすい体質なの
何もしていないのに疲れる。普段から疲れやすい。
そう感じている人は、知らずに知らずのうちにウィルパワーを消耗しているせいかもしれません。
また、ウィルパワーは集中力とも密接に関係しています。
この記事では「ウィルパワーとは何か」「どうすれば疲れを持ち越さず、集中力が維持できるようになるか」を説明していきます。
生活と行動を見直していけば、今よりも疲れを感じず、集中して物事に取り組めるようになるかもしれません。
今回の参考文献は30万部超えのメンタリストDaiGoさんの「自分を操る超集中力」です。
意志の力を左右するウィルパワーとは?
筆者によると、集中力の源泉は前頭葉にあり、思考や感情をコントロールする力をウィルパワーと呼んでいます。
ウィルパワーはロイ・バウマイスターが発見したといわれています。
◎ウィルパワーの2つの特徴
- ウィルパワーの総量には限りがあり、集中力を使うにことによって消耗していく
- ウィルパワーの出どころは1つしかない
我々は1つの事にフォーカス出来ないことを「集中力が無い」と言ってしまいがちですが、いくつもの要素が重なり合っている状態だという事がわかっています。
とくに重要なのは2つ目「ウィルパワーの出所は1つしかない」という点です。
私たちは仕事とダイエット、スポーツ、家族とのコミュニケーションといった行動をそれぞれ切り離して考えています。(中略)
実は、そうではありません。
「企画書を仕上げること」と、「間食のチョコレートを我慢すること」というまったく関係の無いはずの行動でも、使われるウィルパワーの出所は同じなのです。
つまり、取り組むべき課題以前に、別の場面で集中力の源であるウィルパワーをすでに消耗しているということです。
- 「仕事がうまくいかないからダイエットも続かない」
- 「家族や友人との関係が悪いから仕事に集中できない」
というのは自然なこと。
いま目の前にあるウィルパワーは消耗されてしまい、脳が休息を必要とする状態になっているのです。
実際にどんな場面でウィルパワーは使われているのか?
以下の場面でウィルパワーを使っていると言われています。
- 何かを我慢している時
- 何かをしたいと望んでいる時
- 何かを決定したり、行動に起こした時
具体的な例を挙げると
- 「目の前にあるケーキを食べるのを我慢する」
- 「セミナーに出て3年後の自分を想像した」
- 「妻(夫)に家事について文句を言われたが、言い返せなかった」
- 「勉強しようと思いノートを開いた」
- 「夕食をカレーかハンバーグかで悩んでいる」
これら全ての場面でウィルパワーを使っているのです。
直接的な意味付けや関連性はなくても、ウィルパワーを消費しているという事になります。
決断や願望、選択、我慢
どんなに小さいことであっても脳は集中力を使い、ウィルパワーも減っていくのです。
何かに没頭したり、誘惑と戦ったり、将来の夢や明日の予定を考えたりする度に、ウィルパワーは消費され集中力が発揮できない状態になってしまいます。
人は選択肢が多くなればなるほど決断ができなくなり、ウィルパワーが奪われます
(選択の科学より)
脳が疲れを起こす1番の原因「決定疲れ」
毎日の生活の中で「やる何か」と「やらない何か」を望むという選択と決断を繰り返すたびにウィルパワーは減っていきます。
そして、ウィルパワーが一定以下になると人は先延ばしをしてしまうのです。
ところが頭の中でやりかけのまま先延ばしにしておくと無意識に”気にした状態“が続きます。
これを決定疲れ(判断疲れ、決断疲れ)といい、何もしなくてもウィルパワーが消費される現象が起きます
つまり人は行動ではなく意思決定で疲れるのです。
これがいわゆる「疲れた状態」を起こす1番の原因です。
スマホやパソコンで画面を開いていなくてもバックグラウンドで可動し続け、電池やメモリを消耗してしまうのと全く同じ状態です。
- 「あれもこれもしなければならない」
- 「今はやる気が出ないから後でやろう」
という思考になると、マルチタスクや決定疲れの状態となり、ウィルパワーを消費し、知らず知らずのうちに疲れも溜まってしまいます。
ウィルパワーはダイエットにも大きく影響する
ダイエットは欲求に打ち勝つための意思決定力が重要になります。
ところが、前述の通り決断を繰り返すほどウィルパワーは消耗され、誘惑に負けやすくなってしまいます。
そのため、ウィルパワーを消耗しない方法を身に付けていく必要があります。
参考:心理学を専門とするメンタリストDaiGoさんのウィルパワーダイエット。
ウィルパワーの消費を抑えるには
本書では大きく分けて4つの方法が書かれているので、要約して紹介します。
①バッチ処理を行う
1つ目はバッチ処理です。主に it 用語でとして使われています。
バッチ(batch)とは日本語で一束、一群という意味。
つまりある程度溜まってから行ってしまおうということです。
本書では1日の終わりにまとめて行う事を推奨しています。
なぜなら、前述した通り翌日に先延ばしをしてしまうとウィルパワーの消耗も翌日まで持ち越してしまうからです。
②何度も行う事は習慣化させる
2つ目は習慣化です。
習慣化させることで使われる脳の部位が変わるため、前頭葉ではなく主に小脳が使われるようになり、ウィルパワーの消耗を抑えてくれます。
集中力が持続しない人は、その都度目の前の作業に集中して向き合っているため、ウィルパワーの消費が激しく、すぐに集中力が途切れてしまいます。
つまり、限られたウィルパワーを非効率に使い続けているため、持続しないわけです。
何度も行う作業やを継続的に行う事ならば、習慣化させる事で疲れを感じにくくさせます。
③取り組む課題に対する環境を整える
3つは環境を整えることです
よく「デスクの上は片付いていた方が良い」などと言われますが、ウィルパワーの観点から考えても正しい事です。
ウィルパワーはノートを開くという単純な決断と行動だけで消費されてしまいます。
そのため、特定のノートや参考書を使うのであれば、前日の夜からデスクの上に参考書を読むページから開いたまま置いておき、使わないものは一切デスクから排除しておくべきです。
どんな小さいことでも意思決定をしてから作業に入ると、それだけで集中できる時間は減ってしまうのです。
意思決定の数を下げれば上げるほど、より大きな成果が得られます。
そのために習慣化が必要なのです。
人は集中し始める時に、より多くのウィルパワーを使います。
「さあ、やろう!」と思った時に邪魔が入るほどの障害はありません。
メールや電話の着信音、光だけでも集中力は途絶えます。
注意をそらすものを断捨離していくことが大切です。
こうした環境要因を整えていくことで、ウィルパワーの消耗を防ぐことができます。
④計画的に時間を区切り焦らし効果を使う
最後は焦らし効果です。
人間は本来、集中力が持続しない性質を持っているため、この性質を利用して時間を短く区切って取り組むという方法。
この方法はウィルパワーを使いすぎる前に意図的に終わらせるので、疲れが溜まりにくくなるという効果があります。
また、あえて休憩を取ることによって休んでる間も「まだ出来たのに」「もうちょっとやりたい」というモチベーションを保つことができます。
前述の通り、脳はやりかけのタスクを無意識に考え続けていることが分かっています。
この性質を逆手に取った方法と言えます。
連続ドラマの1話ごとのエンディングや次回予告などが、まさにこの方法が使われています。
「この後どうなるの?!」と、含みや疑問を持たせる状態で中断することによって、次回の放送までの視聴意欲を掻き立てるように設計されています。
(この性質をツァイガルニク効果と呼びます)
また、時間に対する生産性という部分にも大きく関与しています。
パーキンソンの法則によると
「仕事は完了するために割り当てられた時間に応じて、複雑なものへ膨れ上がっていく」とされています。
つまり、多く見積もった時間に対してタスクに取り組むと、その分「あれもこれも」と考えてしまい、自分自身で仕事を増やしてしまう傾向があります。
- 人は時間が十分にあると勘違いしてしまうと。目の前の仕事に対して様々な選択肢を考え、試行錯誤を重ねようとします。
- 選択肢が増えれば増えるほど迷いが生じ、ウィルパワーを失っていきます。
時間的制限をつけることでデッドライン効果が生まれ、その時間までに最低限終わらせなければならない仕事量と処理にかかる時間を意識し行動できるようになります。
まず取り組む事を決める。そして、取り組む時間を決める。
すると選択肢が絞られ、ウィルパワーの消費が減り集中力が増します。
選択に関する話になると必ず出てくる例が、Appleの創設者であったスティーブ・ジョブスです。
ジョブスは365日同じ服を着ることにより、「その日着る服を選ぶ」という選択と決断を除外しています。
他に決断したり、集中しなければならない事がたくさんあるため”服を選ぶ” というウィルパワーの消耗を防いでいたのです。
他にもfacebookのCEOマーク・ザッカーバーグもいつも同じ服を着ており、オバマ元大統領も「服を選ぶ人」「食事を決める人」をそれぞれ別に雇用していたという話も有名です。
重要なのは選択と決断をいかに減らし、自分にとって最も大切な事に意思決定する力を使うかという事です。
自分の人生で価値の無い事にエネルギーを使う事をやめましょう。
まとめ
普段は何気なく我慢していた事や、全く別の事を考えたり迷っている時でも、ウィルパワーを消費してしまい、疲れや集中力が低下する原因であった事がわかりました。
選択肢を減らし、考えたり悩む時間を減らす事が大切。
断捨離と習慣化が1番効率が良いかと思います。
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