ICLSとは?ACLSとの違いや流れ、インストラクター、受講とテキスト

看護師

(本記事にはPR・広告も含みます)

病院や救命の現場では、急変する患者さんへの対応が必要になります。

そんな時に役立つのがICLSのスキルです。

急性期の病院で働いている方は特にICLSコースの経験が推奨されています。

似たような名前でACLSやBLSもあります。

この記事ではCLSとは何か、BLSやACLSとの違いを解説しています。

 

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ICLSとは?

ICLSとは、Immediate Cardiac Life Supportの略称であり、看護師や救急救命士など医療従事者向けの二次救命処置のトレーニングコースです。

ICLSの認定基準として

「突然の心停止に対する最初の10分間で適切なチーム蘇生を習得すること」とあります。

(参考:日本救急医学会 – ICLS)

求められる技術や知識としては、主に以下の点が挙げられます。

  • 処置の必要性を理解でき、速やかに応援を要請する事
  • 一次救命処置が行える事
  • AEDの適切な操作ができる事
  • 心停止時の4種類の心電図波形が評価できる事
  • 状況に応じて必要な薬剤を理解している事
  • 気管挿管に必要な物品や手順がわかる事

ICLSコースを受講すると、5~6人のチームを組み、実際に心停止が起きた場面を想定した演習が行われます。

自分が第一発見者となる場合、医師が到着するまではリーダーシップを発揮し、チームスタッフへの的確な指示出しや判断や行動が求められます。

そのため、コースを受ける前に事前に十分な学習と訓練を積む必要があります。

 

ICLSとBLSの違いは?

 ICLSとBLSの違いは?

BLSとは、Basic Life Supportの略称で、一次救命処置の事です。

ICLSは知らない人もいますが、看護師でBLSを知らないとちょっとヤバイです。

多くの病院では、新人に対しBLS研修を行っています。

BLSの基本は、以下の3点を適切に実施できる事です。

  • 気道の確保
  • 人工呼吸、バックバルブマスクの使用
  • 心臓マッサージ

ICLSにもACLSの基本となる部分ですが、これが以外と難しいんですよね。

モデル人形を使って練習しますが、気道の確保やバックバルブマスク使用の際に、適切に肺に空気が送られていない事がわかります。

新人ナースはもちろん、ベテランのナースでもなかなかうまく出来ない人が多いです。

しっかりと練習しておきましょう。

 

ICLSとACLSとの違いとは?

ICLSとACLSとの違いとは?

ACLSとはAdvanced Cardiovascular Life Supportの略称で、ICLSをさらに発展させ、より専門的な技術や知識が必要とされます。

ICLSもACLSも二次救命処置ですが、学習内容も含め大きく異なる点があります。

それぞれの違いを見ていきましょう。

①ACLSにはBLSが含まれない

ICLSコースではBLSも含めた講習が行われますが、ACLSではBLSは含まれません。

BLSを受講する場合は、BLS専用のコースを受講しなければなりません。

②学習内容の違い

ICLSの場合は、心原性の不整脈を4つのタイプで判別します。

それに対し、ACLSでは専攻するコースにより学ぶ領域は異なります。

ACLSプロバイダーコースでは、脳卒中に対する初期治療を学ぶ必要があり、PALSプロバイダーコースでは、小児に対する二次治療を学びます。

参考:日本ACLS協会

③主催している団体(ガイドライン)が異なる

ACLSは、アメリカ心臓協会(AHA)のガイドラインのガイドラインを基に、日本ACLS協会や日本循環器学会などが主催している国際基準の認定となります。

一方、ICLSは日本救急医学会が主催する国内基準のガイドラインを用いた認定となります。

④料金が大きく異なる

ICLSの受講費用が5,000円〜8,000円ほどであるのに対し、ACLSの受講費用は2〜4万円です

前述したように、ACLSの場合はBLSは別コースとなるため、合わせて受講すると合計6万円となります。

⑤ACLSは2年おきに更新が必要

ICLSは一度認定を受けると、更新する必要がありません。

一方、ACLSは有効期限が2年と決まっており、認定を維持するためにはその都度更新していく必要があります。

更新には17,000〜20,000円ほどの金額が掛かります。

国際基準という事もあり、何かとお金が掛かります。

 

どんな人がICLSやACLSを受講するべきか

どんな人がICLSを受講するべきか

バリバリの急性期で働く人、インストラクターや専門の講師をしている人以外はICLSのコース受講で十分だと思います。

ACLSは金額も高いですし、学ぶ分野が専門的過ぎます。

まずはICLSを受講し、十分に技術や知識を習得したあとで「物足りない」と感じればACLSコースを受けると良いでしょう。

 

実際にICLSコースを受講してどうだったか

実際にICLSを受けてどうだったか

病院で働いていると、いつどんな事が起こるかわかりません。

私も過去に、突然心停止をした患者さんに心臓マッサージをした経験があります。

(原因は手術後の肺塞栓でした)

私達は常に急変患者の対応方法を理解しておかなければなりません。

心電図の波形や状況に応じて使う薬剤も異なります。

救急カートに入っているアドレナリン、アトロピン、リドカイン等の場所は最低限把握しておかないと、いざ緊急時にどこにあるのか探してしまう事になり、時間を費やしてしまいます。

心停止後はとにかく時間が勝負です。

数秒、数十秒の遅れで脳に後遺症が残ったり、生死に関わります。

緊急時に使う薬剤や場所は必ず把握しておきましょう。

認定ICLSコースを修了すると、ICLSアシスタント・インストラクター資格を得る事ができます。

 

基準を満たせばインストラクターの認定も受ける事ができる

インストラクター

アシスタント・インストラクターとして経験を積んだあと、インストラクターとして直接ICLSを指導する立場になりましょう。

インストラクターの認定を受けるには以下の3項目を全て満たさなければなりません。

 

  • ICLSアシスタントインストラクターとして日本救急医学会認定ICLSコースの「BLS」「モニター」「気道管理」を各1回以上指導経験
  • 日本救急医学会認定のICLS指導者養成ワークショップ(または日本循環器学会、AHA(ACLS, BLS, その他)、ISLS、PSLS、JPTEC、ITLS、JATEC、JMECC 等のインストラクターコースも代替可)に参加し、指導法を身に付ける
  • 者指導者としてICLSコースに参加後,コースディレクターから推薦された者。

 

人に教える事が好きな人は、ぜひトライしてみてください。

これまで指導してくれた人たちと一緒に仕事ができる事は、大きな喜びや充実感にも繋がり、自分の知識やスキル向上にも繋がります。

 

 

まとめ

1〜3年目までの経験年数の浅い看護師には、急変時に必要な知識やスキルを学ぶ最高の機会となります。

コースを受講したあとも、手順や必要なスキルは繰り返し確認するようにしましょう。

 

コース受講の際に必要な公式ガイドテキストはこちら

インストラクターとして指導する際に必要な公式ガイドテキストはこちら

 

余談ですが

一緒にコースを受けたり指導することで、看護師と消防士の仲は急速に深まるようですよ。

 

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