インフルエンザで学級閉鎖や学年閉鎖、感染の拡大規模が大きな所では学校自体が閉鎖になる事があります。
ところが会社はそう簡単には閉鎖しません。
むしろインフルエンザにかかっても「出社してこい」という会社もあるようですね。
恐ろしいですよね。
自分たちの首を締めているのに…
本来確実に取るべき大人のインフルエンザの出勤停止の期間や日数について書いています。
インフルエンザの出勤停止の期間や日数に関する規定
結論から言うと、大人のインフルエンザに対する出勤停止日数は規定がありません。
子どもの場合は、文部科学省が管轄となり、学校保健安全法施行規則によって以下の出席停止日数を定めています。
- インフルエンザ発症後5日間を過ぎた後
- 解熱後2日間(幼児は3日間)を過ぎた後
この2つの条件を同時に満たしている事が必要と明記されています。
多くの会社や企業、公的期間の公務員などは、前述した学校安全法施行規則に基づいて出勤停止となるケースが多いので、出席停止期間と早見表を使った休みの数え方を確認していきます。
インフルエンザの出席停止期間
出席停止期間は、幼稚園や保育所はもちろん、小学校や中学校、高校から大学までが適応となります。
発症した日を含めて数えると、最低でも6日間の出席停止が必要ということになります。
上記はあくまでも「最低日数」であり、解熱しない場合や体調が優れない場合は、引き続き欠席が必要です。
体調不良のままだと免疫力が低下した状態なので、新たに風邪を引いたりなどの二次感染を起こす可能性もあります。
出席日数の数え方は後述します。
出席停止の期間は、各学校や保育園などによってそれぞれ規定がある場合がああるため、インフルエンザ発症時は各学校に確認する必要があります。
卒業式の出席の有無について悩む人もいるようですが、出席停止期間は必ず守るようにしてください。
出席停止期間を守らない事で、感染拡大が広がります。
同級生同士や出席しているご家族の方、教師などが感染の危険にさらされてしまいます。
インフルエンザの子どもを持つご家族にとっては、卒業式に出席させられないのは苦渋の決断かもしれませんが、どうか周囲への配慮を忘れないようにお願いします。
ややこしいインフルエンザ期間の数え方
日数を数えるにあたって「いつからいつまで」とカウントをしなければなりません。
これが非常にややこしいのですが、発症した日はカウントしません。
発症の翌日がインフルエンザ発症1日目としてカウントされますので、注意してください。
数え方は「インフルエンザ出席停止期間の基準」早見表をご覧ください。
解熱した日からの数え方も注意が必要です。
(川崎医科大学総合医療センターより引用)
大人の場合の出勤停止期間がない
2019年現在、大人の場合はインフルエンザの出勤停止期間や日数について明確な法律の規定がありません。
厚生労働省が主に管轄となりますが、労働安全衛生法には特に記載がない事もあり
「インフルエンザでも出勤しろ」というバカげた会社があるんですね。
法律の規定が無いので違法ではありません。
この辺は会社の就業規則や責任者の判断となってしまいます。
私は病院勤務だったので、インフルエンザのワクチンもほぼ強制的に射ちますし、仮に罹患した時はすぐに休みを言い渡されます。
集団での院内感染は社会問題となります。
免疫力の低い患者さんは重篤化するケースも多々あるので、インフルエンザだとわかった時点で、即出勤停止です。
インフルエンザの証明書や診断書の提示
「インフルエンザでも出社して来い」という会社には、病院受診の際に証明書や診断書をもらうと良いです。
「最低でも6日間の休養を要す」など、一筆書いてもらうと良いでしょう。
いつから出勤可能なのかを明記してもらう事で、明確に出勤すべきではない理由を叩きつけてやりましょう。
それでも文句を言われるようであれば、回復後に労働基準監督署に行き、現状を伝えた方が良いです。
(そもそもそんな会社は早く退職した方が良いでしょうね)
インフルエンザは年に2回感染する事もある
インフルエンザはその年に一度感染したからと言って、もう感染の心配が無いわけではありません。
インフルエンザの種類は大きく分けて3種類ですが、主に感染したり流行するのはA型とB型です。
それぞれ別の型なので、稀ではありますが、年に2回感染する事もあります。
これは意外と知らない人も多く
「またインフルエンザにかかってしまいました」と会社に報告すると
上司に「嘘だろ!出勤してこい!」
と言われるケースもあるようです。
こういう時にも診断書や証明書は大切になるので、2度めの感染の際は特に意識して、医師に作成を依頼しましょう。
インフルエンザを解熱剤で対処するのは危険
インフルエンザは風邪とは違うウィルスです。
仕事に対する責任感が強い人ほど、無理をして仕事に行こうとします。
やめましょう。
同居している家族の方がいたら止めてあげてください。
まして市販のロキソニンやイブプロフェン、バファリンなどの解熱剤で対処しないようにしてください。
インフルエンザ脳症を起こす危険性があります。
決して風邪の延長のような気持ちでは考えないでください。
体調の異変を感じたら、迷わず速やかに病院へ受診するようにしてください。
解熱剤が禁忌な理由は下記の記事にて書いています。
特定の解熱剤が禁忌なのは徐々に認知度が高まっていますが、まだ知らない人は必ずチェックしておいてください。
まとめ
インフルエンザに対する大人の出勤停止期間が無いのは、本当に意外でした。
出勤を要求してくるブラック企業がこれ以上増えないように早く、法整備をしてもらいたいですね。
Twitter(@nurse84_memo)でも情報発信をしているので、この記事が参考になったら、Twitterも見てくれると嬉しいです。