子供の頃に
「朝ごはんを食べないと集中力が出ないから、朝はしっかり食べなさい」
「健康のためには3食しっかり食べることが大切」
なんて事をよく言われました。
実際、自分もそうだと思っていましたし、まだまだそう思っている人もたくさんいます。
しかし、この考え方に異議を唱える論文や研究者も少なくないのです。
医学の研究では肯定派と否定派で
「こっちが科学的に正しいんだ!」
っていう論文がお互いに出ていて、決着がついていない事も多々あります。
例えば「ダイエットするなら糖質制限が最適で確実だ!」
という研究者もいれば
「欲求に打ち勝つ必要があるダイエットで、意思決定に関わる糖質を制限するなんてアホだ。だから失敗したりリバウンドするんだ!」
という論文も出ていて、なかなか面白いわけです。
今回の「朝食は必要か不要か」問題も反対派はいるものの、一応決着はついているようです。
参考文献は「パレオな男」で有名な鈴木祐さんの最高の体調です。
朝食抜きダイエットは人類にとって自然の事
我々の先祖は20万年から獲物の狩りや木の実を採集し生活を始めたと言われています。
当然、冷蔵庫なんて物はありません。
つまり朝起きてすぐに物を食べるという習慣は無かったのです。
人類が朝食を食べるようになったのは、まだ150年ほどの歴史しかありません。
ダイエットというよりは、朝は食べないのが本来のリズムなのです。
朝食文化の仕掛け人はエジソン
「朝に食事を摂る」という文化を定着させたのは、白熱電球をつくった事で有名なエジソンだと言われています。
エジソンは白熱電球だけでなく、生涯にわたって1300もの発明品を生み出したと言われています。
その中の1つが、食パンを焼く「トースター」です。
発明の数々に関するインタビューで、記者から「なぜそんなに多くの発明品を生み出せるのか?」という問いに対し、エジソンは「1日3回食べているから」と答えたそうです。
しかし実際には、当時全く売れていなかったトースターを「朝食として使ってもらうため」に、エジソンが考えたマーケティング戦略だと言われています。
誰だって「今より優秀になりたい」という願望があるので「朝食を食べればエジソンのような発明家になれるかもしれない」と思い、朝食を食べ始めました。
こうして1日3食の文化が広がっていったワケです。
集中力を保つためには朝食を抜いた方が良い
「朝食を食べないと集中力が出ない」と言う人がいますが、それは明確に間違いです。
食事を食べると副交感神経が優位となるため、眠くなったり穏やかな気持になります。
昼食後眠くなる原因の1つが副交感神経が優位になるためです。
反対に空腹時は交感神経が優位となり、高い集中力が発揮される事がわかっています。
そもそも朝食を食べなかった祖先が、獲物を狩る際に集中力を発揮できないと、どうなっていたでしょうか。
食料が確保できず、生き残る事が出来なかったはずです。
交感神経は「闘争・逃走の神経」とも呼ばれ、獲物と闘う時や危機を察した時に逃げる時に優位になる神経と言われています。
こうした進化医学の過程からも空腹による集中力の低下は否定されています。
ちなみに進化医学とは「進化した最新の医学」ではなく、「進化の過程をたどって考える医学」という意味です。
多くの人が逆のイメージを持ってしまうので間違わないように注意しましょう。
実際に朝食を抜いてみた
もともと私は朝食を必ず食べるようにしてきました。
そう教わってきましたし、実際に朝食を食べないと頭の回転が悪いように感じていたからです。
今回、朝食抜きの原理を学んだので実際にやってみました。
結果は…
空腹で全く集中力が上がりませんでした(;´∀`)笑
ここまでだと「今までの話は何だったんだ?」となりますが
空腹は最初の10日ほどで落ち着き、その後は以前よりも高い集中力を発揮出来ています。
調べてみると、最初の1週間から2週間は食欲中枢を司るレプチンとグレリンというホルモンのバランスを保つ作業が行わているようです。
その期間が過ぎると脳がセットアップされ、朝食を抜いても強い空腹感を感じずに高い集中力が発揮できるようになるようです。
午前中に高い集中力を発揮したければ、朝食を抜いた生活をお勧めします。
現代人は食べ過ぎ
先進国における肥満人口の増加や、生活習慣病が増えている要因として「食べ過ぎ」が挙げられています。
過食による総摂取カロリーの上昇、塩分過多、糖質過多、脂質過多など挙げればキリがない。
これを1食分減らすだけでも、身体への負担が大きく減ると言われています。
体内の酸化は老化が進んでしまうので、食べ過ぎは本当に良いことがありません。
リーンゲインズとオートファジー
朝食を抜くことにはもう一つメリットがあります。
それはリーンゲインズ(8時間ダイエット)です。
リーンゲインズは8時間だけ好きな物を食べて、残りの16時間は断食するというもの。朝食を抜く事で、16時間の空腹時間を確保する事ができます。
この空腹時間をつくる事で細胞内のミトコンドリアの活性が高まり、脂肪を溜め込む身体から脂肪を燃焼する身体に切り替えてくれます。
この働きをオートファジーと言います。
短い周期での断食(ショートファスティング)を繰り返していくことで、脂肪がどんどん燃えていきます。
ミトコンドリアの活性から、免疫力も高めてくれるため、花粉症や風邪対策にも効果的だと言われています。
まとめ
朝食を抜くことで集中力が身につき、1日の総カロリーも抑えられ、脂肪も減っていく。
こんなにメリットがあるのに、未だに「3食しっかり食べる」という風潮は根深く残っています。10年前、20年前に常識だった事は、多くの研究で覆っています。
鈴木祐さんの本は、多くの学術論文を基に書かれているので、根拠があり読みやすい本になっています。
体調管理に気を付けたい方や、進化医学に興味がある方にオススメです^^